私の夢を叶えてくれた部屋の中で
引っ越しの準備が大体終わった。
梱包した荷物は午前中に引っ越し業者さんが搬出した。京都東京間の引っ越しだが10万を切っていた。良い時代になったものだ。その後昼食を摂り一度ホテルにチェックインしてから部屋に戻り、引っ越しで出た粗大ゴミの搬出業者を待っている。
今私がいる部屋には大きめのスーツケースが無造作に広げてあり、その後ろに小ぶりなリュックサックが一つ置いてある。
思えば二年前に京都に来た最初の日、同じ荷物を持って何もない部屋に入った。
部屋に入ってすぐにとりあえずスーツケースを広げ母のアドバイスで持って生きてたクイックルワイパーで床掃除をし、引っ越し業者が来るまでの間一人で銭湯で過ごしていた。
引っ越し業者が来てからすぐに荷解きを行なった。概ね荷解きが完了したときに京都に住む友人から連絡があり木屋町に繰り出した。
夜行バスで到着して一日で荷解きを行なったこともありとても疲れており、ひどく酔ってしまった。
あれから二年弱、この部屋で過ごした。広い部屋だとは分かっていたが荷物がなくなった部屋はその広さがさらに強調されていた。窓を開け放つと驚くほど風通しが良いことに気がついた。
二年間、それなりにゆったり過ごしたはずなのに自然の風をここまでゆっくりと感じたのはいつぶりであろうか。
何もなくなり閑散としている部屋でそんな事を思いながら、私は明日東京へと向かう。