【読書感想文】不可能を可能にせよ! NETFLIX 成功の流儀
私はNetflixのヘビーユーザーだ。一人のサブスクライバーにしかすぎないが、Netflixという組織自体にも強い興味があった。
そんな思いから買ってはみたものの、ずっと積読していた。
今回転職するに際してかなりの時間ができたのでようやく読む事ができた。
ネタバレするような事はなるべく書かない。あくまで私の感想にとどめようと思う。
これはネットフリックス創業者のマーク・ランドルフ氏がNetflixを立ち上げる少し前〜IPO・株の売却・ネットフリックスを退職するまでのストーリーだ。
Netflixの過激というまでに独特な社風が築き上げられていく過程は臨場感があり非常に読み応えがある。
ただ、私が強く感銘を受けたのは実は上記の部分ではない。もちろん非常に面白い話ではあるがそれはあくまでNetflixの話なのだ。
スタートアップへの参画や大企業に入社する。つまり、組織に属して働くということについて今まで深く考えることは無かった。ただ、組織に属して働くということは当たり前だが組織からの期待に応えることが重要だ。
組織からの期待というのは会社のフェーズや状況によって大きく異なる。会社が未熟で強い組織を作る場合、成熟した組織をうまく回すというは当たり前であるが全く異なる。
スタートアップに参画するというのは会社環境が目まぐるしく変わるであろう状況でその瞬間に会社に求められることを完璧に実行することを意味する。そして求められる期待はとてつもなく早いスピードで変わる。
ランドルフ氏自身もネットフリックスの創業者でありながら、資金調達を強化するフェーズでリード・ヘイスティング氏にCEOの座を渡し最終的には取締役会をおりて一般社員として働いた後に会社を去った。
それは創業期に必要だったランドルフ氏の能力が組織の成熟・フェーズの変化とともに少しずつ不必要なものになっていったからだろう。(最終的には自分で退職しているので完全に無能だからクビとかそんな話ではない)
私は今まで所謂日系の大企業で働いてきた。もちろん会社によって異なる点は大きいが現状維持することで収益が得られ続ける強力なビジネスモデルがあるし、何かをするときの仕組みは完全に整っている。であれば求められるのはその仕組みを使って効率的に業務をこなす人間だ。
かたやスタートアップではどうか。私のポジションは大まかなJDはあるものの自分の職務は自分で規定するし、組織もこれから作り上げなければならない。
今求められるのは新しいものを0から創造する力だ。ただ、数年後に控えた上場を経験したのち求められる能力はきっと変わってくるであろう。その際に変化に適応可能であればそこからも貢献できるかもしれないが、もし会社のフェーズと自分の能力発揮がミスマッチなれば、それは私が会社を去る時だということだ。
こう思うとここから五年くらいが私のキャリアの大きな分岐点になるのだと思う。スタートアップに移るという選択を正解にする人生の主役は自分でありたい。